印刷 東京都の印刷会社

東京都の印刷会社を一挙ご紹介

印刷会社を探し始めたものの、「どこに頼めばいい?」「色ズレや納期遅れが心配」と不安になっていませんか。小ロットや特殊加工にも対応できる信頼できる相手を見つけ、安心して制作を進めたいですよね。

本記事では、印刷会社選びで失敗しないために、対応可能な印刷方式・設備、品質管理・校正体制、見積もり内訳と追加費用、納期管理、窓口の一貫性と連絡の早さといった“見るべき”チェックポイントを具体例とともに解説します。さらに、サンプルの有無や実績・口コミ、環境配慮、万一のトラブル時の対応まで整理。読み終えた頃には、目的と予算に合う最適な印刷会社を安心して選べるようになります。
制作会社一覧 制作会社一覧

印刷会社一覧

印刷会社の選び方 印刷会社の選び方

印刷制作会社 印刷会社の選び方

POINT1
対応可能な印刷方式と設備の確認

印刷方式の種類と特徴

まずは、印刷会社が対応できる印刷方式を確認しましょう。印刷会社によって得意な印刷方式は異なります。依頼予定の印刷物に適した方式に対応している会社かどうかが重要です。代表的な印刷方式には次のようなものがあります。

オフセット印刷
カタログやパンフレット、フライヤー、ポスターなど大量部数の印刷に適した方式です。あらかじめ、版と呼ばれる原版を作成し、それをもとに高速で印刷します。初期に版を作る手間とコストがかかりますが、部数が多いほど1部あたりの単価が安くなり、色ズレの少ない安定した品質が得られます。

デジタル印刷(オンデマンド印刷)
データから直接印刷する方式で、名刺やDM、社内資料など小部数の印刷に向いています。版を作らずに専用プリンターで出力するため、短納期や1部からの印刷が可能です。近年は機械の性能向上により、オフセットに迫る品質のデジタル印刷機も登場しています。

大型インクジェット印刷
ポスターや看板など大型サイズの印刷に用いられる方式です。ロール状の用紙にインクジェットで出力し、1枚からでも大判印刷ができます。屋外用の耐候インクを使える機種もあり、タペストリーやバナースタンドなどの制作に適しています。

例えば、小部数のチラシ印刷ならオンデマンド印刷に対応した会社が経済的ですし、大量部数の冊子ならオフセット印刷が得意な会社が安定した品質で対応できます。自分の案件に適した印刷方式に対応できる会社かどうか、事前に確認しておきましょう。

印刷設備の確認ポイント

自社に印刷工場や専門の機械を備えている会社は、品質や納期の面で安心感があります。外部に委託しない分スケジュールの融通も利きやすくなります。

また、最新の印刷機を導入しているかどうかも確認ポイントです。新しい機械は色の再現性や生産効率が高いため、仕上がりの品質や作業スピードに直結します。

まずは公式サイトで設備情報を確認し、余裕があれば工場見学ができるか尋ねてみるのも良いでしょう。現場の清潔さやスタッフの作業ぶりを見ることで、その会社の管理体制や本気度を知るヒントになります。

POINT2
品質管理の体制はどのようになっているのか

品質管理基準

印刷物の出来栄えは、印刷会社がどの品質基準と管理体制を採っているかで大きく変わります。まずは第三者認証をチェックしたうえで、社内の検品ルールまで確認すると安心です。

品質・色管理
・ISO9001:国際品質マネジメント基準
・Japan Color認証:色の再現性を保証する国内認証

環境配慮
・ISO 14001:国際環境マネジメント基準
・FSC®認証:持続可能な森林紙を使用
・グリーンプリンティング認証(GP認証):環境負荷を抑えた印刷の業界認定

上記のような認証だけではなく、社内で独自のチェック体制を敷いているかも注目しましょう。印刷工程ごとに検品を実施しているか、色ムラやズレを防ぐルールがあるかなど、品質に対する真摯な姿勢が感じられる会社を選ぶと信頼度が高まります。

また、情報セキュリティや個人情報保護に関する認証を取得しているかもチェックしましょう。刷版データには発売前の広告や顧客情報など機密データが含まれがちです。ISO/IEC 27001・Pマーク・印刷業界専用の JPPS認証などを取得している会社なら、データ漏えいを防ぐ管理体制が整っていると判断できます。

品質・色管理
環境配慮
情報セキュリティ・個人情報保護

校正プロセスの充実度

色校正やデータチェックなど校正体制が整った会社なら安心です。校正段階でしっかり確認・修正を行っておけば、「仕上がりがイメージと違った…」という失敗を防ぐことができます。

不明な点があれば校正紙(試し刷り)を取り寄せられるか相談してみるなど、納得いくまで確認させてくれる会社だと初心者でも安心です。

印刷トラブル時の対応力

機械の故障による納期遅延や色ズレ・インクかすれによる仕上がり不良など、万一問題が発生した場合にどのように対応してくれるかも重要なチェックポイントです。

信頼できる印刷会社であれば、トラブル発生時にはすぐに状況を連絡してくれたうえで、原因の説明と必要に応じた刷り直し対応など、誠意ある対処をしてくれます。過去にトラブルが起きた際の対処事例や、お客様対応の評判などが確認できればベターです。

POINT3
コストと見積もりの明瞭さ(透明性)

見積もり内容の確認ポイント

依頼前に受け取る見積もりの内容もしっかり確認しましょう。まず、こちらが依頼した仕様(サイズ、部数、用紙の種類、色数、加工内容など)が正しく反映されているかをチェックします。

次に、見積もり金額の内訳が明確かどうかも重要です。印刷費、製本費…と項目ごとに金額が記載されていれば安心できますし、不明点は遠慮なく問い合わせてOKです。信頼できる印刷会社であれば、見積もりの意図や内訳について丁寧に説明してくれるでしょう。比較検討のためにも、曖昧な点を残さず納得してから依頼することが大切です。

見積もり以外の費用の確認

提示された見積もりに含まれていない費用が後から発生しないか、事前に確認しておくことも大切です。印刷物の発注では、見積もり項目に現れにくいコストがかかる場合があります。以下のような費用について、必要に応じて事前に質問しておきましょう。

見積もりに含まれているか要チェックな費用例
  • 校正料金
  • デザイン作業や入稿データ修正を依頼した場合の費用
  • 配送料
  • 消費税
  • 特急対応料や大幅な仕様変更時の追加費用

見積もり段階でこれらの有無を確認しておけば、後になって「聞いていなかった追加費用が発生した…」というトラブルを避けられます。不明点は事前にクリアにしておき、金額面でも安心してお願いできる会社を選びましょう。

価格と品質のバランスの見極め方

印刷会社選びでは、価格と品質のバランスを見極めることも重要です。できるだけ予算を抑えたいのは当然ですが、極端に安い会社を選ぶと仕上がりの品質やサポート対応に不安が残る場合もあります。かといって、高い見積もりの会社が必ずしも最高の品質とは限りません。大切なのは、自分が求める品質に対してその価格が見合っているかどうかです。金額だけで判断せず、その会社の実績やサポート内容など総合的に判断しましょう。

例えば、多少価格が高めでも色校正を含め丁寧にチェックしてくれる会社であれば、結果的に満足のいく印刷物が得られる可能性が高いです。反対に、とにかく安いネット印刷を利用する場合は、自分でデータチェックや色味の最終確認までをしなければなりません。価格重視・品質重視のバランスを考え、自分にとって納得できる会社を選びましょう。

「安さ」だけで印刷会社を選ぶのは危険です。価格と品質の両面から比較し、納得できる印刷会社を選ぶことが大切です。

POINT4
納期とスケジュールの管理

納期に関する確認事項

希望の納期を確実に守ってもらえるかどうかは、印刷会社を選ぶ上で最も重視すべきポイントの一つです。最初に打ち合わせをする際には、こちらの希望納期を明確に伝え、そのスケジュールで対応可能かきちんと確認しましょう。特にタイトなスケジュールの案件では、正式に「〇月〇日納品可能です」と回答をもらうようにし、メールなど記録が残る形でやり取りしておくと安心です。

また、その印刷会社が納期厳守の実績を持っているかも信頼性の判断材料になります。過去の事例で短納期の仕事をこなしているか、あるいは納期遅延のトラブルがなかったかなど、可能な範囲で調べてみるのも良いでしょう。無理な納期に安易に「できます」と答えるのではなく、難しい場合は正直に相談してくれる会社の方が結果的に信頼できます。

スケジュール管理体制

納期までの道のりには、データ入稿、校正、印刷、加工、配送…といくつもの工程があります。各工程を滞りなく進めるには、印刷会社側のスケジュール管理がしっかりしていることが不可欠です。優良な印刷会社であれば、例えば次のような体制でプロジェクトを進行してくれます。

スケジュールの書面提示
メールやスケジュール表で各工程の予定を見える形で共有してくれる

進捗状況のこまめな報告
依頼した作業が今どの段階か、適宜教えてもらえる

顧客側へのフォロー
こちらが忘れがちな場合にも「〇日が入稿予定日ですが進捗いかがですか?」といったリマインドをしてくれる

このように、印刷会社側が主体的にスケジュールを管理・共有してくれると、初めての依頼でも安心感が格段に高まります。逆に、こちらから催促しないと進捗報告がないような場合は不安材料となるため、スケジュール管理がしっかりしていそうかどうかも見極めましょう。

POINT5
コミュニケーション能力とサポート体制

担当者とのやり取りがスムーズで、相談から納品後まで一貫してフォローしてくれる会社は安心です。問い合わせへのレスポンスが速く、専門用語をかみ砕いて説明し、依頼内容の誤解がないか丁寧に確認してくれるかをチェックしましょう。専任担当がつく体制なら説明の手間や情報ロスが減り、進行も円滑です。

また、用紙・加工の提案や入稿データの不備指摘、校正・刷り直しの相談などプロ視点の助言があれば、初心者でも仕上がりを共有しやすくなります。さらに、納品後に不具合が起きた際の対応力まで含め、長期的に信頼できるパートナーかどうかを見極めましょう。

POINT6
後加工・特殊加工などの柔軟対応

対応可能な後加工技術

印刷後の後加工とは、刷り上がった印刷物を仕上げるための工程のことです。名刺なら断裁や角丸加工、冊子なら折り加工や製本加工、ポスターならラミネートやパネル貼りなど、印刷物によって様々な工程があります。依頼したい印刷物に特別な後加工が必要な場合、その加工に対応できる会社かを確認しましょう。

多くの印刷会社はホームページに対応可能な加工内容を掲載しています。見当たらない場合でも、問い合わせ時に「○○加工はできますか?」と聞けば対応してもらえることが多いです。

自社内で様々な加工に対応している会社なら、特殊な仕上げの要望にもワンストップで応えてもらえるため安心です。逆に対応していない加工がある場合は、別途専門業者への発注が必要になり納期やコストに影響する可能性がある点に注意しましょう。

特殊加工の内製・外注状況

箔押し(はくおし:金属箔を熱圧着して装飾する加工)やエンボス(紙を浮き出させる加工)などの特殊加工への対応可否も重要です。こうした特殊な加工を自社で行っているか、それとも専門の協力会社に外注しているかによって、対応スピードや品質管理に差が出ることがあります。

自社内で加工まで完結できる会社であれば、スケジュールの融通が利きやすく、細かな仕上がりの調整もしやすいでしょう。一方、外部に依頼する場合、納期に余裕が必要になることがあります。

希望する特殊加工がある場合は、どのような体制で対応してもらえるのか事前に確認しておくと安心です。「自社でできます」「提携工場に依頼します」といった回答が得られれば、後々の段取りも見通しやすくなります。

POINT7
サンプルや実績、口コミ、環境配慮

サンプル・実績

候補の印刷会社が過去にどんな印刷物を手がけてきたか、事前に確認しておきましょう。多くの印刷会社は公式サイト上で制作事例や実績を紹介しています。自分が作りたい印刷物と似た事例があるかどうか、ぜひチェックしてみてください。

可能であれば、実際の印刷サンプルを見せてもらいましょう。印刷物の色合いや紙の質感、加工の精度など、写真や画面上では分からない部分も手に取って確認できます。

また、会社の創業年や取引実績を調べることで、その会社の信頼度を測る手がかりになります。一般的に長く続いている会社は、顧客から選ばれ続けてきた証でもあり、蓄積されたノウハウを持つ点で強みといえるでしょう。

口コミ・評判の調査方法

その印刷会社の口コミや評判も可能な範囲で確認しておきたいところです。インターネットで「〇〇印刷 評判」「〇〇印刷 口コミ」などと検索すると、利用者のブログ記事やSNSでの言及、場合によっては法人向けサービスの比較サイトでレビューが見つかることがあります。

口コミが少ない場合は、公式サイト上のお客様の声や導入事例を読んでみるのも良いでしょう。第三者の評価も参考にしつつ、総合的に判断して信頼できる印刷会社を選びましょう。

環境への取り組み状況

昨今、印刷業界でも環境配慮の取り組みが重要視されています。社内やクライアントの方針で環境対応が求められる場合は、エコ印刷に積極的な会社を選ぶと良いでしょう。

具体的には、FSC認証(適切に管理された森林由来の紙を使っている証明)を取得しているか、植物油由来のインクを使用しているか、ISO14001(環境マネジメントの国際規格)を取得しているか、といった点がチェックポイントになります。

日本独自の基準では、グリーンプリンティング認証という環境対応の認定制度もあります。この認証を取得している印刷会社であれば、印刷工程でのCO₂排出削減や廃材リサイクルなどに積極的に取り組んでいる証と言えるでしょう。

印刷会社の種類と特徴 印刷会社の種類と特徴

印刷会社の種類と特徴

用途・印刷物別の分類

まず、印刷物の用途や種類によって印刷会社を分類してみましょう。それぞれの印刷会社は取り扱う印刷物の分野によって得意とする領域があります。以下に代表的な種類を紹介します。

商業印刷会社

商業印刷会社とは、企業の宣伝用印刷物や業務用印刷物を扱う印刷会社です。例えば、パンフレット・チラシ・ポスターなど広告宣伝のための印刷物や、会社案内・社内報・マニュアルなど企業内で使用する印刷物が該当します。

色鮮やかなカラー印刷や写真・イラストを多用した販促物の印刷を得意としており、一般企業や団体の広報物を中心に手掛けています。

出版印刷会社

出版印刷会社は、本や雑誌など出版物の印刷を専門とする会社です。学校の教科書、書籍、雑誌、地図、参考書といった「読むための印刷物(ページ物)」を扱い、文章中心のモノクロ印刷から写真入りのカラー印刷まで対応します。

大量部数を安定した品質で刷るノウハウや、製本の技術に長けており、出版社や新聞社が発行する商業出版物などを主に手掛けています。

パッケージ印刷会社

パッケージ印刷会社は、商品を包むパッケージや包装資材の印刷を専門に行う会社です。お菓子の箱、化粧品のパッケージ、食品や飲料のラベル、段ボール箱など、厚紙やフィルム素材への印刷を扱います。

パッケージは形状や素材も様々なため、高度な色再現や特殊な印刷技術が求められます。そのためパッケージ印刷会社は、製品の見栄えを良くし耐久性も考慮した印刷を得意としており、メーカー各社の商品の包装デザイン・パッケージ印刷を専門に手掛けています。

ビジネスフォーム印刷会社

ビジネスフォーム印刷会社は、伝票や帳票類など企業で使われる事務用の印刷物を専門とする会社です。例えば、請求書や納品書、申込書、領収証といった複写式の伝票類や、連続帳票(コンピュータ用紙に穴のあいた連続伝票)などが該当します。

これら大量の伝票類を効率よく印刷し、ミシン目で切り離す加工などにも対応するため、専用の設備とノウハウが必要です。こうした事務用印刷の分野は専業化が進んでおり、正確さと作業効率を重視した印刷を行うのが特徴です。

特殊印刷会社

特殊印刷会社は、紙以外の素材や特殊な製品への印刷を扱う会社です。例えば、プラスチック製のカードへの印刷、商品券やチケットなど偽造防止が必要な証券類の印刷、壁紙や家具・家電の表面への印刷、布製品(Tシャツ等)や看板へのプリントなど、その対象は多種多様です。

これら特殊な印刷には専用の技術や設備が求められ、使用するインクや加工方法も独自のものになります。特殊印刷会社はそれぞれニッチな分野で専門性を持ち、一般的な印刷会社では対応できない素材や用途の印刷サービスを提供しているのが特徴です。

オンデマンド・デジタル印刷会社

オンデマンド・デジタル印刷会社は、少部数の印刷物を短納期で提供することを得意とする印刷会社です。従来のオフセット印刷と異なり、印刷用の版を作らずにパソコン上のデータから直接プリンターで出力するため、1部からでも無駄なく印刷できます。

名刺やチラシを数十枚だけ作りたい場合や、企画書・プレゼン資料を急ぎで印刷したい場合などに便利です。当日仕上げや、内容が一枚ごとに異なる可変データ印刷にも対応しやすく、必要な分だけ素早く用意できるのが大きなメリットです。ただし大量部数の印刷では1枚あたりの単価が割高になるため、小ロット向きのサービスといえます。

印刷技術による分類

次に、印刷方式(技術)の違いによる分類を見てみましょう。印刷会社が使用する印刷機の種類によって、印刷の仕上がりや得意な部数(ロット)が異なります。それぞれの印刷方式の特徴を簡単に解説します。

オフセット印刷

オフセット印刷は、現在もっとも普及している代表的な印刷方式です。薄い金属板で作った版にインクを付け、一旦ゴム製のローラーに転写してから紙に刷り写す仕組みで、版を直接紙に押し付けないため版が傷みにくいという特徴があります。

油と水が反発し合う性質を利用して印刷したい部分にだけインクを乗せる「平版印刷」の一種で、チラシ、ポスター、カレンダー、書籍などあらゆる印刷物に幅広く使われています。大量印刷時の一枚あたりコストが低く、高精細なフルカラー印刷に適しているため、商業印刷や出版印刷の現場で主力となっています。

オフセット印刷代表例

デジタル印刷(オンデマンド)

デジタル印刷(オンデマンド印刷)は、印刷用の版を作らずにデータを直接プリンターへ送り出力する印刷方式です。トナーを用いたレーザープリントやインクジェットプリントなどがこの方式にあたり、初期費用がかからず短時間で印刷できるため、少部数の印刷や可変データの印刷に適しています。

近年は機械の性能向上により画質も改善されてきており、小ロット向けの実用的な印刷手段として広く活用されています。ただし、大量印刷ではオフセットに比べてインクや用紙の単価が割高になる傾向があります。

デジタル印刷代表例

活版印刷

活版印刷は、歴史の古い印刷方式で、凹凸の凸部にインクをつけて紙に強く押し付けて印刷する方法です。ハンコや木版画のような要領で紙に転写するため、印刷時に文字や模様が紙に少しへこんだ独特の風合いが出るのが特徴です。

かつては印刷の主流でしたが、現在では名刺や高級感のある招待状など、レトロな質感を出したい印刷物に限定して用いられることが多くなっています。

活版印刷代表例

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、版に開けたメッシュ状の孔(あな)を通してインクを刷り込む「孔版印刷(こうはんいんさつ)」の一種です。Tシャツやトートバッグなど布製品へのプリント、ガラスやプラスチック製品への印刷、リモコンや看板の表示印刷など、紙以外の様々な素材にインクを載せられるのが大きな特徴です。

インクを厚く盛ることができ、発色が良く耐久性に優れる一方、色数が増えると版を色ごとに作成する手間がかかるため大量生産には不向きですが、小ロットの特殊印刷分野で広く利用されています。

シルクスクリーン印刷代表例

グラビア印刷

グラビア印刷は、凹版(おうはん)印刷の代表的な方式で、凹んだ穴(セル)にインクを溜めて紙やフィルムに転写する方法です。写真やイラストの階調を滑らかに再現できるため、美術書や高級カタログ、軟包装フィルム(お菓子・飲料パッケージなど)の大量印刷に適しています。

また、壁紙や化粧品の化粧箱など連続模様を高精度で刷りたいときにも採用されます。初期費用として金属製シリンダーの版代が高額になるものの、超大量印刷では 1 枚あたりのコストを抑えられる点がメリットです。

印刷会社の形態と規模

最後に、印刷会社の規模やサービス形態による種類について見てみましょう。業界大手の企業から地域の中小企業、最近ではインターネットを活用したネット印刷サービスまで、それぞれに特徴があります。発注したい内容に応じて、どのタイプの印刷会社が適しているか考える参考にしてください。

グラビア印刷代表例

大手総合印刷会社

大手総合印刷会社は、業界トップクラスの規模と最新設備を備え、商業印刷・出版印刷・パッケージ印刷など幅広い分野をグループ内で一貫対応できる総合力が強みです。

2024 年度の国内印刷関連売上高を見ると、上位2社(凸版印刷・大日本印刷)が合計約3兆円規模を占めており、業界全体(約5兆円)のおよそ6割を担っています。

大量部数案件でも安定した品質と供給体制を確保でき、デザイン・製版・物流までワンストップで発注できる点から、全国規模の販促キャンペーンや大手出版社の雑誌印刷で厚い信頼を得ています。

中小印刷会社

中小印刷会社は、地域に根ざした小規模〜中規模の印刷会社です。社員数が数人から数十人規模の会社も多く、扱う印刷分野を絞って専門性を発揮しているケースが一般的です。
大ロットの仕事では大手に太刀打ちできないため、各社が自社の「強み」を生かしたサービスで差別化を図っています。

例えば、「色校正(試し刷り)が丁寧で品質に安心感がある」「地域密着で急な要望にも柔軟に対応してくれる」「特定業界の知識が豊富で提案力が高い」など、独自の強みでリピーターの信頼を獲得しているのです。

小回りの利く対応や依頼主とのきめ細かなコミュニケーションを大切にしている会社が多く、小ロット案件や特殊な仕様の相談もしやすいというメリットがあります。

オンライン(ネット)印刷

オンライン(ネット)印刷サービスは、ウェブサイト上で注文が完結できる印刷会社の形態です。自宅やオフィスからネットでデータを入稿し、完成した印刷物を宅配で受け取れる手軽さが魅力で、名刺・チラシ・ポスター印刷など定型商品の低価格サービスが充実しています。大量の注文をネット経由で集めて一括生産するため価格が安く、市場全体で価格競争を引き起こしています。

一方で、商品仕様があらかじめテンプレート化されていることが多く、細かな相談や特殊な加工には対応しにくい場合もあります。データさえ用意できれば安価で迅速に印刷物を入手できるため、標準的な印刷物をコスト重視で発注したいときに便利な選択肢です。

依頼の流れ 依頼の流れ

依頼の流れ

依頼前の準備チェックリスト

印刷会社に依頼する前に、まずは以下のポイントを確認しておきましょう。

納期・部数・予算の検討
必要な納品希望日や印刷部数、予算の目安をあらかじめ決めておきましょう。印刷工程には想像以上に日数がかかります。希望納期から逆算して十分な余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
デザインデータの完成度確認
仕上がりサイズの設定、塗り足し(仕上がりより各辺+3mmの余白)やトンボの有無、フォントのアウトライン化・埋め込みなど、データが適切に作成できているかチェックします。
問い合わせ先の選定
依頼先の印刷会社をいくつか候補に挙げておきましょう。それぞれの対応の速さや得意分野(例:小ロットが得意、特殊加工に対応可能など)も事前に調べて比較しておくと安心です。

お問い合わせ・見積もり依頼

準備が整ったら、印刷会社にお問い合わせをして見積もりを依頼します。多くの印刷会社ではウェブ上のフォームや見積もり依頼システムが用意されています。電話やメールで直接相談できる場合もあるので、状況に応じて使いやすい方法を選びましょう。

見積もり依頼時に伝える主な項目
  • 印刷物の種類
  • サイズ
  • 部数
  • 用紙の種類
  • 希望する加工
  • 希望納期

複数の会社に同時に見積もりを依頼すると、価格や提案内容を比較できます。特にオンラインの一括見積もりサービスを利用すれば、一度の入力で複数社から回答が得られるため便利です。

仕様の決定(用紙・部数・加工など)

見積もりを比較し依頼先の印刷会社を決めたら、具体的な印刷の仕様を最終決定します。用紙の種類や厚み、部数、必要な加工といった要素を改めて確認しましょう。依頼内容に漏れがないよう、気になる点はこの段階で印刷会社とすり合わせておくことが大切です。仕様を決める際の主なポイントは以下です。

用紙選び
用途や仕上がりの印象に合った用紙を選択します。写真や色を鮮やかに見せたい場合はコート紙など光沢のある紙、落ち着いた雰囲気にしたい場合はマット紙を選ぶなど、用紙の質感や厚みによって仕上がりが変わります。

加工の選択
高級感を出したいときは箔押し加工、目を引く形にしたいときは型抜き加工、特定部分に光沢を出すニス引きやUVコーティングなど、必要に応じてオプション加工を検討します。予算や納期に影響する場合もあるため、優先度の高い加工を選びましょう。

サンプルの活用
用紙や印刷の仕上がりイメージに不安がある場合、印刷会社にサンプルを請求するのも一つの手です。実際の紙見本や印刷サンプルを見ることで、質感や色味を確認でき、仕様決定の参考になります。

データ入稿

印刷する内容が決まったら、デザインデータを入稿します。印刷会社ごとに指定の入稿方法がありますが、共通してデータ形式や作成ルールに注意が必要です。不備のないデータを用意し、スムーズに印刷工程に進めるようにしましょう。入稿データ作成時のチェックポイントは以下です。

対応データ形式
推奨される形式はPDFです。特にPDF/X-1a形式で保存すればフォントや画像の埋め込みが標準で行われるため安心です。Adobe Illustrator(拡張子.ai)やInDesignのファイルで直接入稿できる会社もありますが、その場合でもフォントのアウトライン化やリンク画像の埋め込みなど事前の処理を確認しましょう。

塗り足しとトンボ
仕上がりサイズより上下左右3mmずつ大きく背景や画像を配置した「塗り足し」と、仕上がり位置を示すトンボ(トリムマーク)を必ず設定します。塗り足しとは仕上がりサイズより外側に設ける余白部分のことで、これがないと断裁時に用紙の端に白い余白が出てしまう原因になります。

フォントの扱い
文字化けを防ぐため、使用フォントはアウトライン化するか、PDF保存時にフォント埋め込みの設定を有効にします。アウトライン化を行えばフォントがなくてもレイアウトが崩れませんが、文字の編集ができなくなるため最終確認後に行いましょう。

ファイル名や容量
入稿データのファイル名は、トラブル防止のため日本語や特殊記号を避け、内容が分かる簡潔な名前にします(例:「パンフレット_2025版.pdf」など)。データ容量が大きい場合はZip形式などで圧縮し、印刷会社の指定する方法でアップロードしてください。

校正確認

入稿データを送ると、印刷に入る前に「校正」という確認作業を行うことがあります。校正では仕上がりイメージや誤字脱字などを最終チェックします。校正のやり方には、大きく分けてデジタル上で確認する「PDF校正」と、実際に出力されたものを確認する「色校正」があります。 校正方法と進め方のポイントは以下です。

PDF校正
印刷会社から校正用のPDFデータが送られてきたり、専用の校正システム上でPDFを確認したりする方法です。パソコン上で手軽にチェックでき、文字の内容やレイアウトの最終確認に適しています。ただし画面上の色は実物と異なる場合があるため、色味の厳密な確認には不向きです。

色校正
色校とも呼ばれ、本番と同じ機械や環境で試し刷りを行い、それを確認する方法です。実際の印刷物に近い形で色や仕上がりを確認できるため、カタログやポスターなど色が重要な印刷物では有効です。費用と日数がかかりますが、必要に応じて依頼しましょう。

修正指示と回数
校正物に修正が必要な場合、赤ペンで訂正箇所を記入したり、訂正内容をわかりやすく伝えます。修正の回数は一般的に1〜2回程度が目安です。あまり細かく何度も修正を繰り返すと納期に影響するため、修正点はできるだけまとめて指示しましょう。

校了の判断
最終の校正で問題がなければ校了とします。校了とは修正がすべて終了し「これ以上変更が無い」状態になったことを意味します。校了の連絡を印刷会社に伝えたら、以降は基本的にデータの変更はできません。後悔しないよう、最終確認は時間をかけて慎重に行いましょう。

本生産・製造開始

校了のOKを出したら、いよいよ本番の印刷工程に入ります。通常は印刷会社が入金の確認やデータチェック完了をもって製造ラインへ回します。あらかじめ伝えた納期に向けて印刷・加工・仕上げ・梱包といった作業が進められます。本生産開始後の流れはこのようになっています。

印刷開始
データに問題がなければ印刷工程が開始します。オフセット印刷の場合は版の作成→印刷→乾燥→加工と進み、オンデマンド印刷の場合は直接印刷機で出力されます。

進捗の確認
印刷会社によっては、マイページやメールで進捗状況を知らせてくれることがあります。「○月○日に印刷完了」「発送済み」などステータスを確認できるので、必要に応じてチェックしましょう。

データ保管サービス
一度入稿したデータは、印刷会社側で一定期間保管してくれることが多いです。追加注文や将来の増刷時に同じデータを再入稿する手間が省けるため、リピート発注がしやすくなります。

納品・検品・アフターケア

製品が完成すると、指定した場所へ印刷物が納品されます。多くの場合、宅配便による配送ですが、部数や地域によっては印刷会社の自社便で届けられることもあります。納品日時の指定が可能な会社もありますので、必要に応じて事前に調整しましょう。納品後のチェックと対応

受け取り
納品物が届いたら、まず数量と外観を確認します。梱包に破損がないか、その場で受領サインが必要な場合は忘れずに対応します。

検品作業
印刷物の仕上がりを一通りチェックしましょう。デザインの色味が想定どおりか、断裁の位置ズレや紙の折りずれがないか、ページ物であればページ抜けや順序間違いがないかなどを確認します。あわせて注文内容と相違がないかも検品ポイントです。

問題発生時の対応
もし仕上がりに不備やトラブルを見つけた場合は、速やかに印刷会社に連絡しましょう。多くの場合、現物を確認したうえで再印刷など適切な対応を取ってもらえます。

追加発注・再注文
実際に配布してみて追加が必要になった場合や、後日同じものを増刷したい場合は、今回のデータを使って追加注文が可能です。印刷会社によってはマイページから簡単に増刷発注できるサービスもあります。

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